My Merry May with be

『My Merry May with be』の魅力

『My Merry May with be』（マイ・メリー・メイ ウィズ ビー）は、2005年にKIDから発売されたPlayStation 2用の恋愛アドベンチャーゲームです。本作は、既存の『My Merry May』と『My Merry Maybe』の二作品を統合し、さらに新たに制作された3つのシナリオと全アペンドストーリーを搭載しています。その後、2010年にはサイバーフロントからPlayStation Portable版がリリースされています。

本作の特筆すべき点

本作にはいくつか独自の要素が盛り込まれています。まず、元の作品である『My Merry Maybe』はほぼ原作の形を保っており、特にストーリーの大きな変更は行われていません。しかし、『My Merry May』に関しては、一部の内容が軽微に修正されています。また、PS2版『May』では限られていたアペンドストーリーが、DC版で提供されたユーザー公募の作品も含めて全て収載されているという点も魅力の一つです。

オープニングとエンディングの演出

本作では、オープニングムービーを見ると、テロップのフォントが『Maybe』と同じものに統一されていることに気づきます。加えてエンディングの演出に若干の変更が施されており、各シナリオのラストシーンの流れが新たに配置されているので、視聴する際の印象が変わっています。

スキップ時の演出

ゲームのプレイ中にスキップを使用すると、PS2版ではディフォルメされたキャラクターたちの専用CGが表示されていましたが、本作では『Maybe』同様にキャラクターの姿がシルエット化され、よりスタイリッシュな演出に進化しています。

新シナリオの紹介

このゲームには特別な新シナリオも含まれています。以下はその概要です。

• - Beginning -五月の始まり-

恭介は、アメリカで研究者として暮らす兄に、将来の不安を抱えながらメールを送る様子が描かれています。

• - Metempsyschosis -輪廻-

このシナリオは、物語の隙間を埋める重要な部分で、愛する人のそばにいることができないと感じたレゥが、小さな漁村に向かう様子が展開されます。

• - Epilogue -五月の終わり-

物語の終息後、浩人が渡良瀬老人からの電話を受け取り、レゥを求めて旅立った恭介の物語が語られる新たな視点が提供されています。

スタッフと音楽

本作のキャラクターデザインは輿水隆之氏が手掛け、シナリオ制作にはQ'tron（長井知佳、西川真音、山本真司）が参加しています。音楽は阿保剛が担当し、主題歌や挿入歌はARCHIBOLDが制作しています。具体的には、オープニングテーマとして「BUG?」が用意され、エンディングではアジ☆コロによる「ナツノ宇宙（ソラ）」が車量されています。

開発の背景

開発にあたっては、1990年代の名作アニメやゲームの影響を色濃く受けており、当時のスタイルを引き継いだ作品となっています。しかし、2001年以降、作品に対する受け手の解釈の多様性が薄れてきたため、本作ではより明確なメッセージを伝えることを意識したとされています。

2020年に行われた座談会では、阿保剛が音楽制作に関するエピソードを語っており、特に『すべてがFになる』と並行して行われた開発だったため、短期間での制作だったことが明かされています。

まとめ

『My Merry May with be』は、ただの恋愛アドベンチャーゲームではなく、作品に込められた様々な思いや工夫が感じられる深い内容です。プレイヤーは新たなシナリオを通じて、キャラクターたちの物語を追体験し、心に響く瞬間を味わうことができるでしょう。

もう一度検索